ピロリ菌検査・除菌

ヘリコバクター・ピロリ菌とは

ヘリコバクター・ピロリ菌とはピロリ菌は胃の粘膜に生息する細菌です。ピロリ菌に感染した場合に慢性胃炎、胃十二指腸潰瘍、胃がんなどの発症の原因となります。ピロリ菌に感染したままでいると、萎縮性胃炎という慢性胃炎により胃粘膜の萎縮性変化が起こり、その状態が進むと胃がん発癌の下地になるのです。ピロリ菌を除菌すると胃十二指腸潰瘍や胃がんの発生を防ぐことが分かっており、感染している場合は除菌することが推奨されています。胃の調子が悪い、家族で胃がんになったことがあるなどで、もしかしたらピロリ菌がいるかも?と気になる方は一度ピロリ菌の検査を受けてみてはいかがでしょうか。

ピロリ菌の感染

ピロリ菌の感染以前はピロリ菌の感染は井戸水の感染などによるのではないかと言われていた時期もありましたが、現在では大人から子供への食べ物の口移しなどによる家庭内感染が主と言われています。子供は胃酸分泌が大人に比べて弱いため、ピロリ菌に感染するとピロリ菌は胃酸に殺されることなく胃の粘膜内に住み着きやすくなります。ピロリ菌の感染は幼少期までの間に成立することが多いということが分かっています。子供さんやお孫さんに移さないように、ピロリ菌検査を受けて、陽性であれば除菌治療を行うことが、次世代への感染の予防になるというわけです。
一方で大人の感染は少ないと考えられています。一度除菌に成功した場合の再感染や再燃は少ないと考えられており、頻度も1%未満とされています。
現在の日本では、50歳以上の方でのピロリ菌感染率が高いことが分かっていますので、まだまだピロリ菌陽性の方が多くいられると考えられています。子供の感染率は低くなっていると報告されていますが、除菌の際に用いる抗生物質が効きづらい菌(耐性菌)が増えていることが懸念されています。

ピロリ菌による症状

無症状であることも多いですので検査をして初めて感染していることが分かることが珍しくありません。胃十二指腸潰瘍や慢性胃炎などにより、胃痛・腹部膨満感・胃もたれ・食欲不振などの症状を来たすことがあります。これらの症状がある方でピロリ菌検査をしたことがなければ一度調べてみるのが良いと思われます。

ピロリ菌によって起こる病気

以下のような疾患との因果関係が示されており、一部では保険診療による除菌治療が認められています(※)

  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍(※治療中・治療経験ある場合)
  • 胃がん
  • 胃過形成性ポリープ
  • 胃MALTリンパ腫(※)
  • 特発性血小板減少性紫斑病(※)
  • 鉄欠乏性貧血
  • 慢性じんましん
  • 機能性ディスペプシア

また早期胃がんに対して内視鏡治療が行われた場合に、ピロリ菌除菌治療を行うとその後の胃がん発生が減ることが分かり、保険治療が認められています(※)。 ピロリ菌感染胃炎に対しては除菌前に胃カメラを行うことが保険治療を行う条件となっています(※)。ピロリ除菌治療の最大の目標は、慢性胃炎の進行を食い止め、最終的に胃がんの発生の危険を減らす、「胃がんの予防」です。

ピロリ菌の検査方法

胃カメラ・組織検査を用いる方法

迅速ウレアーゼ試験

胃カメラの際に採取した組織を用いて、ピロリ菌がもつウレアーゼという尿素を分解する酵素の活性を利用して調べる方法です。

培養法

胃カメラの際に採取した組織を1週間ほど培養してピロリ菌の有無を調べる方法です。

検鏡法

採取した組織を染色するなどして顕微鏡でみてピロリ菌の有無を調べる方法です。

胃カメラを使わない方法

尿素呼気試験

ピロリ菌がもつウレアーゼという酵素により胃の中の尿素が分解されできた二酸化炭素を検出する方法です。検査薬を服用いただいた後に、呼気(はいた息)の中の二酸化炭素の程度を調べます。

便中抗原検査

便の中のピロリ菌の抗原を調べる方法です。

抗体検査

血液または尿の中のピロリ菌に対する抗体を調べる方法です。

検診で行われることがあるABC検診は血液の抗体検査と胃の萎縮の程度を知ることができるペプシノーゲン法という方法を組み合わせた検査項目です。

除菌前の感染診断は6項目のうち、1項目もしくは同日で2項目可能(組み合わせの指定があります)、初回陰性の場合、別の方法で再検査することができます。
また抗体検査で抗体価が陰性(10U/ml)の範囲内であるが3U/ml以上である場合、ピロリ菌がいる場合・いない場合が混在していることが分かっており、除菌医療を行う場合はほかの項目で追加検査を行います。
なお、(※)以外の方においては、ピロリ菌の検査は保険診療では行うことができず自費診療となります。

除菌治療

除菌治療除菌治療は、胃酸分泌を抑えるお薬1種類、抗菌薬2種類を1日2回、連続7日間服用して行います。初回の除菌治療(一次除菌)が終了して2ヶ月後に尿素呼気試験または便中抗原測定によって除菌できたかの判定検査を行います。除菌成功していれば治療は終了です。一次除菌が失敗であった場合は、抗菌薬を1種類変更して除菌治療(二次除菌)を行い、一次除菌と同様に2ヶ月後に除菌判定検査を行います。抗菌薬に対して抵抗力をもつピロリ菌が増えてきた影響で以前は一次除菌の成功率は70%台でしたが、2015年以降強力に胃酸分泌を抑制するお薬を用いるようになり一次除菌の成功率は90%程度となっています。二次除菌までを含めると95%以上は除菌に成功するようになりました。胃カメラでピロリ菌感染を疑われた場合(萎縮性胃炎・胃十二指腸潰瘍・胃がんの内視鏡治療後など)ではピロリ菌の検査・治療はこの二次除菌までは保険適応になります。
除菌を失敗に終わらせないためには、お薬をきちんと内服する、内服期間は禁煙・禁酒をするなどが必要です。
二次除菌にも失敗した場合は、さらに抗菌薬の組み合わせを変更して三次除菌以降へすすみますが、三次除菌以降は自費扱いになります。この段階になるとピロリ菌はいろいろな抗菌薬に対して効かなくなっている(耐性菌)場合が多く、適宜どのような抗菌薬が効くかあるいは耐性かの検査(薬剤感受性試験)を自費で行う場合があります。
また一次除菌・二次除菌とも抗菌薬の1種類はペニシリンを用いるため、ペニシリン・アレルギーのある方は保険適応での除菌治療はできません。ペニシリン以外の抗菌薬を用いて除菌治療(救済療法)を行う場合は保険診療ではなく自費となります。
日本ヘリコバクター学会認定H.pylori感染症認定医である経験豊富な院長が治療のご相談をさせていただきます。

除菌後のフォローアップ

除菌後のフォローアップ除菌による成功率は改善してきましたが、それでも失敗に終わる場合があるため、除菌治療が成功したかどうかの検査は必ず受けるようにしてください。
成人の場合、除菌に成功した後に再感染・再燃する頻度は少ないと考えられています。
ピロリ除菌治療が成功した場合、その後の胃がんの発生リスクは下がりますが、ピロリ菌に感染したことがない方と比べると、胃がんの発生リスクは高いことに変わりはありません。除菌治療に成功したあとも、年に1回は胃カメラなどでチェックをしましょう。

除菌治療にかかる費用

ピロリ菌の除菌治療は、健康保険が適用される場合とそうでない(自費診療扱いとなる)場合があります。 例えば慢性胃炎がありピロリ菌がいることが分かっていても胃カメラを受けない場合は自費診療扱いとなります。
治療が必要になった場合には、健康保険の適用となるかどうかを治療開始前にお伝えしますのでご安心ください。

健康保険の適用となる場合の費用

胃のむかつきなどがあり、胃カメラ検査を受け、慢性胃炎がありピロリ菌が発見された場合には原則として健康保険が適用されます。具体的には、胃カメラ検査で胃炎が認められたり、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の診断を受けたケースです。

一次除菌 一次除菌+二次除菌

ピロリ菌の除菌治療(診察、検査、薬の費用を含む)

6,000〜7,500円程度 12,000〜14,000円程度

※一次除菌+二次除菌は一次除菌が失敗した場合です。
※三次除菌以降は、自費診療扱いとなります。

自費診療扱いとなる場合の費用

保険適応外の方が除菌治療をご希望される場合には、自費診療扱いとなり、健康保険は適用されません。
まずピロリ菌の感染を確認するための検査を行い、陽性であれば治療へと進みます。

料金
ピロリ菌検査 血液抗体検査  3,300円
便中抗原検査  4,000円
尿素呼気試験  6,500円
ピロリ菌の除菌治療(診察、検査、薬の費用を含む) 一次除菌 20,000〜22,000円
二次除菌(※) 19,000〜21,000円

※一次除菌、二次除菌それぞれに診察・除菌判定などの費用がかかるため、1回ごとに上記費用が発生します。

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